お洒落な空間は、環境にもやさしい? フローリングの床に、木の本棚や机が並ぶカフェのようなスマートな空間。中田教授の研究室では、エネルギー消費量削減の試みを自らの研究室で実証するため、木質系の内装材を使って断熱効果の測定や人に与える快適性の研究を行っています。その結果、無機質だった研究室が、かくもお洒落な空間に変身したというわけです。
社会におけるエネルギーのメカニズムは、石油・石炭・ガスなどの燃料となる『資源』、資源をエネルギーに変換する『技術』、そして自動車やストーブ、家電製品などの燃料を消費する『需要』の3つで構成されています。
一般に、工学部におけるエネルギー分野の研究は、エネルギーを変換するための技術に主眼を置いていますが、本研究室では、技術の研究はもとより、社会全体を見通して、環境面と経済面で両立し得る持続可能なエネルギー社会のシステム構築に特化した、リサーチ(調査・分析)・デザイン(設計・開発)・プレゼンテーション(社会への提言)まで、幅広い研究活動を進めています。
私たちの研究方針は、従来の低コストで効率的かつ経済性重視の考え方に加え、「サスティナブル(持続可能なエネルギー利用の最適化)」、「ジャスティス(エネルギーを利用するための公正性・倫理観)」、「イノベーション(新技術の開発・新しい価値の創造)」を備えた、地域を一つのエネルギー需要体として捉えたスマート・コミュニティの実現をめざしています。現在、青森県弘前市、岩手県宮古市・大船渡市、福島県新地町の4地域の自治体と連携して熱需要密度に関する現地調査などを実施し、地域にあった最適なスマート・コミュニティのモデル案を検討しています。
こうした地域モデルをベースに、低炭素社会を実現する新しいエネルギー社会の仕組みづくりの新機軸を研究し、広く社会に応用・発展させていきたいと考えています。