企業では、経営計画に従って、設計、生産、調達、営業など様々な部署が連携しつつ業務を進めています。業務を進めていくにあたって、部品や素材の調達先、営業先、ユーザなど様々な外部の組織との連携は欠かせません。計画や業務の質、組織内外との連携のレベルアップは企業の成長に寄与しますが、その実現には様々な克服すべき課題があります。
経営計画は短期から中長期まであり、企業の戦略が具体的に記載されたものです。これはトップダウンもしくはボトムアップで決められていきますが、どちらの方法を採用しても、縦横の組織間で複雑な構造となります。そのため、戦略や目標数値に齟齬が含まれる可能性があり、この問題を解決しなければ計画の質が劣化してしまいます。また、戦略を立案するにあたって、現状分析だけではなくビジネスモデルの質を判断するシミュレーションも欠かせません。
業務を進めていくにあたっては、非効率なプロセスが内包されていると質が落ちてしまいます。例えば同じミスが繰り返されるプロセスは、問題が発生しないための工夫を加えた改善が不可欠です。また、他組織の良いプロセス、つまりベストプラクティスをプロセス改善に取り入れることもプロセスの質向上に重要です。
組織内外との連携を実現するためには、個別最適から全体最適の視点が不可欠です。そのためには、情報システムを基盤としたデータ共有・分析による科学的、定量的な経営が求められます。例えば、精度の高い需要予測はサプライチェーンに参加する全ての企業が必要としています。
以上の課題に対して、私たちの研究室では経営学や経営工学、経済学の方法論を用い解決方法の開発と研究をしています。そして、得られた研究成果は、積極的に地域や社会に発信してきたいと考えています。